MailChimp(メールチンプ)のアカウントを作成し、独自ドメインでメールマガジンを配信しようと準備している方向け。
MailChimpはアカウントを作成するとすぐに利用できますが、メール配信する前に、必ず設定して頂きたいことが一つだけあります。
それは、送信ドメイン認証(DKIM)の設定です。
この記事では、MailChimpの送信ドメイン認証を設定する方法を解説します。
最初にご確認ください
本記事の内容は次の方を対象に書いております。
- 独自ドメインを使ってMailChimpを利用している ← 大前提
- エックスサーバーで独自ドメインを運用している
- お名前ドットコムで独自ドメインを運用している
従いまして、無料メール(GmailやYahoo!メール等)でMailChimpを利用している方や、独自ドメインを使いたくないとお考えの方には全く役に立たないと思いますので、予めご了承ください。
これは、MailChimpに限らず、メール配信サービス全般に言えることなので、フリーメールでメール配信するのはおすすめしません。
もし、独自ドメインをお持ちでなければ、お名前.comで独自ドメインを取得してからMailChimp利用するようにしましょう。
好きなところから読めます
MailChimpでメールを配信する前に送信ドメイン認証の設定が必要
MailChimpでメールを配信する前に、必ず送信ドメイン認証の設定を済ませてから、メールを配信するようにしましょう。
送信ドメイン認証を必ず設定する理由は、迷惑メール判定を少しでも回避するためです。
- 送信ドメイン認証を設定している → 迷惑メール判定を受け難い
- 送信ドメイン認証を設定していない → 迷惑メール判定を受けやすい
せっかくメールを書いても、迷惑メール判定を受けて、読者さんのメールボックスに届かなければ全く意味無いです。
少しでも迷惑メール判定を回避するために、設定は必須です。
送信ドメイン認証を行わないと迷惑メール判定を受ける理由
メール配信システムで配信されたメールが迷惑メール判定を受ける要因は色々ありますが、そのうちの1つに、送信元アドレスのなりすまし判定があります。
なりすましとは、メールの送信元アドレスの情報を偽ることをいいます。
なりすまし判定を受ける仕組み
MailChimpでメールを配信すると、送信元アドレスは「mcsv.net」となります(「mcsv.net」以外にもあると思いますが、代表的なアドレスをあげておきます)。
しかし、このサイトのドメインは「takapon.net」です。
配信者のドメインが「takapon.net」なのに、送信元のドメインは「mcsv.net」だと、メールを受け取ったシステムは「送信元が「takapon.net」というドメインを使って、メールを偽装している可能性有り(なりすましている可能性有り)」と判定します。
その結果、迷惑メール判定を受けてしまうのです。
送信ドメイン認証を行うとなりすまし判定を回避できる
送信ドメイン認証の設定を行うということは、メール受信サーバーに対して以下のことを伝える設定です。
MailChimpでメールを配信する前に必ず設定するようにしましょう。
せっかくメールマガジンを書いて送っても、迷惑メールフォルダに直行してしまったら意味ないですからね。
MailChimpの送信ドメイン認証を設定する手順【全体像】
送信ドメイン認証の必要性を理解頂いたところで、送信ドメイン認証を設定する手順を解説します。
- 手順①:MailChimpのDKIM情報を取得する
- 手順②:レンタルサーバーにDNSレコードを追加
- 手順③:MailChimpでDKIM情報を認証する
基本的な流れは上記のとおりです。
なお、本記事ではエックスサーバーとお名前ドットコムの2つの設定方法を解説します。
- エックスサーバーで送信ドメイン認証を設定する手順
- お名前ドットコムで送信ドメイン認証を設定する手順
MailChimpのSPFレコードは廃止になりました
MailChimpの送信ドメイン認証は、DKIMとSPFレコードを使って行っていましたが、メール認証を最新化する取り組みの一環として、SFPレコードを廃止して、DKIMキーを2つ使用するよう仕様変更されました。
このことは、実際にサポートに問い合わせて確認しました。
MailChimpからSFPレコードについて回答がきました。
結論からいうと、SFPレコードによるメール認証を廃止したとのことです。メール認証を最新化する取り組みの一環として、以前のDKIM + SPFレコードプロセスではなく、DKIMキーを2つ登録する方式を採用したとのことです。 pic.twitter.com/8Y6fvXBgG5
— たかろぐ (@takashisema) July 14, 2020
以前、DKIMとSPFレコードを設定した方は設定変更を行いましょう
現在、MailChimpの送信ドメイン認証をSPFとDKIMで設定した方は、設定変更するようにしましょう。
恐らく、以前登録したSPFレコードは機能していませんので(筆者のMailChimpアカウントで確認済み)、次の項目で説明する手順にそって、設定変更を行いましょう。
エックスサーバーでMailChimpの送信ドメイン認証を設定する手順
エックスサーバーで独自ドメインを取得している方向けに、MailChimpの送信ドメイン認証を設定する手順を解説します。
- 手順①:送信ドメイン認証を行うドメインの登録
- 手順②:DKIM情報の取得
- 手順③:エックスサーバーのDNSレコードにDKIM情報を設定
- 手順④:MailChimpでDKIM情報を認証する
上記のとおりです。
手順①:送信ドメイン認証を行うドメインの登録
送信ドメイン認証を設定するには、送信ドメイン認証を行うドメインの登録を行う必要がありますので、まずはダッシュボードにログインして下さい。
公式サイト:MailChimp
ダッシュボードにログイン後、①画面右上の管理者名をクリックして、②プルダウンメニューの「Account」を選択します。
「Account」を選択すると、下図の画面が表示されますので、①「Settings」タブを選択して、②「Domains」を選択します。
下図の画面に移動したら、「Verify Domain」をクリックします。
①送信ドメイン認証を行うドメインのメールアドレス入力して、②「Send Verification Email」をクリックします。
先程入力したメールアドレスに、確認コードを記載したメールを送信したと表示されますので、メールアドレスを確認します。
メールボックスに下図のメールが届いていましたので、メールに記載されている確認コードをコピーします。
①コピーした確認コードを貼り付け、②「Verify」をクリックします。
ドメインの確認が成功したというポップアップが表示されますので、「Done」をクリックして下さい。
以上で送信ドメイン認証を行うドメインの登録は完了です。
手順②:DKIM情報の取得
続いてDKIM情報を取得します。
「手順①:送信ドメイン認証を行うドメインの登録」でドメインを追加すると、下図のようにドメイン一覧が表示されますので、先程追加したドメインの横にある「Authenticate」をクリックします。
下図のようにDKIM情報がポップアップで表示されます。DKIM情報は2つ表示されますので、2つともDNS情報を登録します。
以下のDKIM情報をレンタルサーバーのDNS情報に追加します。
- dkim2.mcsv.net
- dkim3.mcsv.net
表示されたDKIM情報はコピーして使用しますので、このポップアップを開いたまま、次の手順に進んで下さい。
手順③:エックスサーバーのDNSレコードにDKIM情報を設定
取得したDKIM情報をエックスサーバーのDNSレコードに追加します。
エックスサーバーのサーバーパネルにログインして下さい。
https://www.xserver.ne.jp/login_server.php
サーバーパネルの右上にある「DNSレコード設定」をクリックします。
ドメイン選択画面が表示されますので、DNSを設定するドメインの「選択する」をクリックして下さい。
DNSレコード設定の画面が表示されますので、下図赤枠の「DNSレコード追加」というタブをクリックして下さい。
ここに、「手順②:DKIM情報の取得」で取得したDKIM情報を設定します。
各項目の設定方法は次のとおりです。
- ①ホスト名:「k2._domainkey」と入力
- ②種別:「CNAME」を選択
- ③内容:dkim2.mcsv.net
- ④優先度:「0」のままでOK
- ⑤確認画面へ進む:全て入力しましたらクリックして下さい。
確認画面へ進むをクリックすると、最終確認が表示されます。
入力内容に問題が無ければ、「追加する」をクリックして下さい。
ホスト名の確認場所
ホスト名は利用者ごとに異なる可能性がありますので(筆者の場合「k2._domainkey」でした)、「手順②:DKIM情報の取得」で取得したDKIM情報の下図の部分をご確認下さい。
登録しましたら、下の段のDKIM情報を追加します。
もう1つのDKIM情報の追加
もう1つのDKIM情報を追加します。
- dkim3.mcsv.net
先程の同じ手順で、DKIM情報を追加します。
ちなみに、設定方法は同じではありますが、下図①と②の部分だけ異なりますので、ご注意ください。
上図と下図の部分が一致している事を確認して追加して下さい。
以上でDKIMの追加は完了です。
手順④:MailChimpでDKIM情報を認証する
DKIM情報がきちんと設定できているか確認します。
「手順②:DKIM情報の取得」でDKIM情報を取得するために下図のポップアップが表示されていると思いますが、ポップアップ左下にある「Authenticate Domain」をクリックして下さい。
認証が完了すると、登録したドメインが「Authenticated」とグリーンで表示されます。
以上でDKIM認証は完了です。
お名前ドットコムでMailChimpの送信ドメイン認証を設定する手順
お名前ドットコムで独自ドメインを取得している方向けに、MailChimpの送信ドメイン認証を設定する手順を解説します。
- 手順①:DNS設定の画面を開く
- 手順②:お名前ドットコムのDNSレコードにDKIM情報を設定
- 手順③:MailChimpでDKIM情報を認証する
上記のとおりです。
手順①:DNS設定の画面を開く
まずはお名前ドットコムにログインして、DNS設定の画面を開きましょう。
お名前ドットコムにログインすると、下図のようなコントロールパネルが表示されますので、上部メニューにある「DNS」を選択して下さい。
①「ドメインのDNS関連機能設定」を選択し、②「次へ」をクリックして下さい。
①DNSを設定するドメインを選択して、②「次へ」をクリックします。
下図「DNS設定/転送設定-機能一覧」というぺージ中ほどにある、「DNSレコード設定を利用する」を選択して下さい。
手順②:お名前ドットコムのDNSレコードにDKIM情報を設定
DNSレコード設定画面でDKIM情報を設定します。
各項目の設定方法は次のとおりです。
- ①ホスト名:「k2._domainkey」と入力
- ②TYPE:「CNAME」を選択
- ③TTL:3600のままでOK
- ④VALUE:dkim2.mcsv.net
- ⑤追加:全て入力しましたらクリックして下さい。
追加ボタンを押したら、DNSレコード設定画面の一番下にある、「確認画面へ進む」をクリックします。
以上で1つ目のDKIM情報の設定は完了です。
同じ手順で2つ目のDKIM情報を設定して下さい。
手順③:MailChimpでDKIM情報を認証する
お名前ドットコムでDKIM情報を追加したら、「手順②:DKIM情報の取得」のDKIM情報が表示さrているポップアップの「Authenticate Domain」をクリックして下さい。
認証が完了すると、登録したドメインが「Authenticated」とグリーンで表示されます。
以上でお名前ドットコムのDKIM認証は完了です。
まとめ
以上、MailChimpでメールを送信する際に迷惑メール判定を回避する、送信ドメイン認証の設定方法について解説しました。
手順通り行えば簡単に設定できますし、設定にかかる時間も10分~15分程度できます(DNS情報が浸透するまでは時間がかかる事があります)。
MailChimpを使ってメール配信する方は、迷惑メール判定のリスクを少しでも排除するために、必ず設定するようにしましょう。
送信ドメイン認証を行ったら、実際にメール配信を行ってみましょう。
ちなみに、以下の記事で一斉メール配信(ブロードキャストメール)の送信方法や、ステップメールの作り方を解説していますので、是非どうぞ。
また、以下の記事ではMailChimpの使い方を網羅的に解説しています。こちらも是非参考にして下さい。