
QCYのワイヤレスイヤホン「MeloBuds Pro」に興味があります。
製品の質感やイヤホンの音質など、実際に使ったことがある人の感想を聞きたい。
この記事では、こういった要望にお答えします。
- ワイヤレスイヤホンQCY MeloBuds Pro
- MeloBuds Pro実機レビュー
- MeloBuds Proの使用感レビュー
- MeloBuds Proの良かった点・メリット2つ
- MeloBuds Proの気になる点・デメリット2つ
なお、本記事は執筆にあたり、2024年7月にQCY社からサンプル製品「MeloBuds Pro」をご提供頂きました。


本記事の筆者がMeloBuds Proを実際に使用した経験をもとに、この記事では、
製品の質感や、イヤホンの音質、ノイズキャンセリング機能、イヤホンのフィット感、実際に使って良かった点・気になる点を正直に感じたことをレビューしていきます。
MeloBuds Proに興味をお持ちの方の参考になれば幸いです。


ワイヤレスイヤホンQCY MeloBuds Pro


MeloBuds Pro(QCY HT08)は片耳4gの超軽量性に加えて、アダプティブノイズキャンセリング(Adaptive ANC)と12mmダイナミックドライバーユニットを搭載した、6千円台で臨場感溢れる立体的な空間オーディオが楽しめるカナル型の完全ワイヤレスイヤホンです。
イヤホンは3点で均等に力を分散するデザインを採用しているため、長時間の装着でも耳が痛くなりにくい快適な付け心地です。イヤーピースが浅めで径も小さめなので圧迫感も少ないです。
高音質コーデック「LDAC」対応、専用アプリによる音質調整(イコライザ)機能により、高音質なサウンドを楽しめます。
また、ENC通話ノイズキャンセリング・ゲーミングモード・水しぶきがかかっても壊れない防水性能(IPX4)、装着検出機能などの機能性も十分で、音質と機能性を兼ね備えてます。
MeloBuds Proのスペック
MeloBuds Proのスペックは下記のとおりです。
項目 | 詳細 |
---|---|
商品名 | QCY MeloBuds Pro (HT08) |
サイズ | 34 x 24 x 15 mm (イヤホン) 56 x 25 x 51 mm (充電ケース) |
重さ | イヤホン: 4.6g(片側) 充電ケース:34.2g |
ドライバー | 12mm ダイナミックドライバー |
対応コーデック | SBC/AAC/LDAC |
通信方式 | Bluetooth Ver. 5.3 |
充電端子 | USB Type-C |
ノイズキャンセリング | イヤホン:アダプティブノイズキャンセリング マイク:ENCノイズキャンセリング(各3基のマイク) |
防水規格 | IPX4 (※充電ケースは防水ではありません) |
連続再生時間 | 最大8.5時間(イヤホン本体のみ) 最大34時間(充電ケース込み) |
充電時間 | 充電ケース:約2時間 |
スマホアプリ | 〇 |
MeloBuds Proの特徴
MeloBuds Proの特徴は下記のとおりです。
- シンプルでスタイリッシュなデザイン
- 長時間の装着でも耳が痛くなりにくい快適な付け心地
- LDAC対応(日本オーディオ協会によるハイレゾ認証取得)
- 12mmダイナミックドライバーとQCY独自の空間オーディオアルゴリズムにより、空間全体を包み込むような立体音響を実現
- 最大46dbのノイズキャンセリング性能(アダプティブノイズキャンセリングにより、イヤホンの装着状態や耳の形を認識し、周りの騒音を自動的かつ持続的に調整)
- 風切り音カットで屋外使用時における風切り音を低減
- 装着検出機能搭載(耳から外すと一時停止、耳に着けると再生)
- 最大8.5時間の連続再生可能(ANC ONは最大7.5時間)
- 10分の急速充電で2時間の音楽再生が可能
- ENC通話ノイズキャンセリングを搭載。周囲の雑音をカットし、明瞭なマイク音質
- マルチポイント対応(2台の機器に同時接続)
- ゲームモード搭載(80ms)
6千円台でワイヤレスイヤホンに必要な機能を搭載しつつ、空間オーディオ、アダプティブノイズキャンセリング、LDAC対応など、ハイレゾ相当の高音質を提供しつつ、購入しやすい価格設定になっています。
以上がMeloBuds Proの概要となります。続いて、MeloBuds Proをレビューしていきます。
MeloBuds Pro実機レビュー


MeloBuds Proのパッケージや製品外観/質感をレビューしていきます。
パッケージと付属品
パッケージは白地のシンプルなデザインです。








付属品の内容


付属品の内容は下記のとおりです。
- イヤホン(MeloBuds Pro)
- 充電ケース
- イヤーピース(S/M/L)
- USBケーブル(USB-C & USB-A)
- 取扱説明書
イヤーピースは3種類
イヤーピースはS/M/Lの3種類用意されているので、大人から子供まで幅広く使えます。


Mサイズのイヤーピースはデフォルトで装着されています。


充電ケースのサイズ感/外観デザイン
充電ケースの重量はイヤホン込みで43gとかなり軽いです。ケースサイズは約5.6 x 2.5 x 5.1cmと手のひらに収まるサイズで携帯性も抜群です。ケースの厚さが2cmちょっとしかないので、ポケットに入れてもあまり膨らまないです。
充電ケース正面
充電ケースはプラスチック素材で、表面は樹脂パールのような加工が施されていて、価格の割に高級感があります。
ブランドロゴの大きさが控えめところがいいですね。


充電ケース裏
充電ケース裏は下図のような感じです。


充電ケース下部
充電ケース下部にはUSB-Cポートとペアリングボタンがあります。


充電ケース内部
充電ケース内側は無機質な感じです。




イヤホンの落下を防ぐ強力なマグネット
充電ケース内部のマグネットは強力なので、逆さまにしたり、かなり強めに上下に振っても落下しません。


イヤホン本体形状/デザイン
MeloBuds Proのイヤホン形状は「うどん」と呼ばれる耳からはみ出るステムがついてます。


イヤホン本体のデザインは黒地にグレーのメッキ加工の組み合わせによるシンプルでスタイリッシュなデザインです。


イヤホン上部のメッシュはツヤ加工で装飾されています。






ステム内側にエンボス加工でR(右)/L(左)の表示があります。


以上、MeloBuds Proの実機レビューでした。続いて、使用感をレビューしていきます。
MeloBuds Proの使用感レビュー
MeloBuds Proを実際に使ってみた使用感をレビューしていきます。
ペアリングはスムーズ
ペアリングは充電ケースからイヤホンを取り出し、デバイスのBluetoothをオンにすると、すぐに接続できます。
- 充電ケースからイヤホンを取り出し、デバイスのBluetoothをオンにして新しいデバイスとペア設定
- 「MeloBuds Pro」を選択


マニュアル不要で簡単にペアリングできます。
接続も安定しているので、途中で切れたりしません。
圧迫感が少なく疲れにくい装着感
MeloBuds Proは耳穴に差し込むタイプのカナル型イヤホンですが、イヤーピースが浅めで径も小さめなので、挿入感は低く、耳穴への圧迫感も低いです。
そのため、長時間付けていても疲れにくいです。
挿入感や圧迫感が低いと、イヤホンが外れやすい印象を受けると思いますが、イヤホンの形状が均等に力を分散するデザインを採用していることもあり、自然な感じでフィットします。
首を左右に動かしたり、軽い運動や小走り程度ではズレないです。
タッチセンサーの感度は良好
タッチセンサーの感度は良好です。タッチするとすぐに反応するので使いやすいです。


タッチ操作は専用アプリでカスタマイズできます。


音質は全体的にクリア
イヤホンの音質は、クリアでスッキリとした傾向があり、自然な音の広がりを楽しめます。
デフォルトの状態ではやや低音寄りではあるものの、高〜低音までバランスよく出ていて、高音もシャリついた感じはありません。
各音域の印象
低音域はデフォルトでやや強調されているものの、ボワつきもなく、締まった低音が適度に響きます。
中音域は安定感のある響きをしていて、定位感もいいです。ボーカルもこもるような感じは一切ないので、クリアに聴こえます。
高音域はシャリついた感じはなく、細かい音もよく聞こえます。楽曲によっては若干乾いた感じがするときもありますが、専用アプリのイコライザーで調整すれば問題ありません。
空間オーディオの印象
空間オーディオは再生する音源によって印象は異なります。
Amazon Musicの「360 reality audio」を再生した時は、複数のスピーカーに囲まれているような立体感のある音響を楽しめますが、YouTube Musicなどの音源の場合、音は広がるものの、時折ボーカルが不自然な感じに聞こえることがありました。
空間オーディオで音楽を聴く場合、料金はかかりますが、「360 reality audio」との相性がいいと感じました。
ちなみに、空間オーディオと映画は、配信サービス問わずに相性がいいと感じました。
専用アプリで音質を自分好みに調整できる
デフォルトの音質はバランスがいいですが、専用アプリで音質を自分好みに調整できます。


7種類のプリセットとカスタムイコライザーで好みの音質に調整できます。


ノイズキャンセリング性能はパワフル
ノイズキャンセリングはよく効いてパワフルです。
ノイズキャンセリングをONにすると、エアコン・サーキュレーターの送風音や、室内から聞こえる外の雑音(風の音、車のエンジン音など)はほとんど消えます。
公共交通機関でも使ってみましたが、
車内のエアコンの送風音/話し声/風切り音/走行音などの中音・高音の雑音はかなり軽減されます。
バスのエンジン音や、電車のレールのつなぎ目の「ガタンゴトン」といった低音も、体感で50%ほど軽減されます。
6千円台という価格を考慮すると、かなりパワフルだと感じます。
多彩なノイズキャンセリング機能
MeloBuds Proのノイズキャンセリング機能は多彩で、下記5つから選べます。
- アダプティブノイズキャンセリング(自動調整)
- 室内(3段階):静かな環境・図書館など
- 通勤(3段階):非常に騒がしい環境・電車など
- 騒がしい:騒がしい環境
- 風切り音カット


状況に応じてお好みの機能を選択できます。
アダプティブノイズキャンセリングがおすすめ
ちなみに、筆者がおすすめなのはアダプティブノイズキャンセリングです。これは、イヤホンの装着状態や耳の形状に合わせて、周りの騒音を自動的かつ持続的に調整する機能です。
会話に適した外音取り込み
外音取り込み機能はこの価格帯のイヤホンにしては高感度で音をキャッチしてくれます。
取り込む音のレベルを6段階で調整できるスライダーが付いているので強弱を調整できます(下図左)。


「ヴォーカル強調(上図右)」にチェックを入れると周囲の雑音が抑えられ、人の声が強調して聞こえるようになるので、会話しやすくなります。
マイクの性能は標準的
マイクの性能は標準的だと感じました。途切れたりすることはないので、スマホの通話やWeb会議に使えます。
ちなみに屋外で使用したところ、風の音をはっきりと拾っていたので、風切り音には弱いと思います(こちらの声は相手に届きます)。
AilyBuds Pro+とMeloBuds Proの比較
同価格帯で発売日が近い、「AilyBuds Pro+(2024年6月発売)」と2024年7月発売の「MeloBuds Pro」の機能や音質面を比較してみました。
機種(モデル) | ![]() ![]() AilyBuds Pro+ | ![]() ![]() MeloBuds Pro |
---|---|---|
イヤホン形状 | インナーイヤー型 | カナル型 |
音質 | アダプティブオーディオ | 13mm ダイナミックドライバー空間オーディオ | 12mm ダイナミックドライバー
ノイズキャンセリング | (非公開) | Adaptive ANC(最大-46db) | Adaptive ANC
ENC通話ノイズキャンセリング | ||
LDAC対応 | ||
再生時間 | 充電ケース併用:最大28時間 | イヤホン:最長5時間充電ケース併用:最大34時間 | イヤホン:最大8.5時間
マルチポイント対応 | 2台 | 2台 |
ゲームモード対応 | 80ms | 80ms |
装着感 | ||
販売価格 | 7,480円(税込) | 6,980円(税込) |
機能性、装着感ともにどちらのイヤホンも申し分ないですが、音質やノイズキャンセリング性能が異なります。
MeloBuds Proはデフォルト音質がよく、ノイズキャンセリング性能と連続再生時間に優れています。
AilyBuds Pro+はデフォルト音質こそ迫力に欠けますが、専用アプリのアダプティブオーディオを使用すると、音質が劇的にアップします(個人的に、音質はAilyBuds Pro+が勝っていると感じます)。
ただ、ノイズキャンセリングはインナーイヤー型ということもあり、イヤホンと耳の隙間から雑音が入ってくるため、ノイズキャンセリング性能は弱めです。
以上、MeloBuds Proの使用感レビューでした。続いて、MeloBuds Proの良かった点やメリットを解説していきます。
MeloBuds Proの良かった点・メリット2つ


MeloBuds Proの良かった点・メリットは下記2つです。
- デフォルト音質のバランスがいい
- 装着検出機能が便利
上記のとおり。
デフォルト音質のバランスがいい
デフォルト音質のバランスがいいので、スマホだけでなく、タブレットやPCでも高音質なサウンドを楽しめます。
デフォルト音質のバランスが良くないと、アプリのイコライザーに頼ることなるので、アプリが使えないデバイス(パソコンなど)では音質が微妙に感じることがありますが、バランスがいいので、デバイスを問わずに使えます。
装着検出機能が使いやすい
装着検出機能があるので、急に話しかけられた時に、片耳のイヤホンを外せば音楽や動画の再生が止まるので便利です。
装着検出機能は専用アプリでON/OFFの切り替えができるので、イヤホンを外すと音楽や動画の再生が止まるのが煩わしいと感じた時はOFFにしたり、外出時にONにしておけば、話しかけられた時や公共交通機関のアナウンスを聞きたい時、イヤホンを外せば再生が止まるので便利です。


以上、MeloBuds Proの良かった点・メリットでした。続いて最後に、MeloBuds Proの気になる点・デメリットを解説していきます。
MeloBuds Proの気になる点・デメリット2つ


MeloBuds Proの気になる点・デメリットは下記2つです。
- 接続時の案内がピープ音(音声案内がない)
- LDACをONにすると空間オーディオが使えない
上記のとおり。
接続時の案内がピープ音(音声案内がない)
最近のワイヤレスイヤホンは、デバイスとの接続時に「接続しました」と音声で案内してくれますが、メロバッズはピープ音での案内となります。音声案内に慣れている人には、最初はわかりにくく感じるかもしれませんが、慣れれば気にならなくなるでしょう。
ただし、夜中など静かな環境で接続すると、接続時のピープ音が大きくて驚くことがあります。ファームウェアのアップデートで音声案内に変わることを期待しています。
LDACをONにすると空間オーディオが使えない
LDACをONにすると、空間オーディオが使えなくなります。
とはいえ、6千円台のワイヤレスイヤホンでハイレゾ相当の音質を楽しめるので、「ライブ音源を楽しみたい」という方以外は、それほど気にならないと思います。
まとめ
以上、QCY MeloBuds Proを実機レビューしました。
イヤホン重量4gによる軽量性に加えて、三点で均等に力を分散するデザインを採用したことにより、圧迫感が少なく疲れにくい快適な装着感を実現し、カナル型イヤホンにしては珍しく蒸れを感じにくい作りになっています。
音質はクリアで自然な広がりがあり、LDAC対応と空間オーディオで臨場感あふれるサウンドを楽しめます。ノイズキャンセリング性能は高く、アダプティブノイズキャンセリングによる雑音低減で没入感のある上質なリスニング体験を提供してくれます。
ほかにも、マルチポイント・ゲーミングモード・ENC通話ノイズキャンセリング・装着検出機能・イヤホンを探す機能、防水性能など、機能性も抜群です。6千円台のイヤホンとは思えないほどコスパの高さを感じます。
この価格帯でイヤホンをお探しの方や、安価に購入できるノイズキャンセリング機能付きのイヤホンをお探しの方は、ぜひ手に取ってみてください。

